尺貫法とは
尺貫法の起源は、古代シナにさかのぼります。
それまでまちまちだった長さや容積の単位が、前漢のころには明確に定義されるようになりました。
歴代の王朝が独自の法令で長さや容積の単位(度量衡)を定めるようになりましたが、唐の時代にはほぼ一定の基準となり、日本や朝鮮など、まわりの国にも伝わっていきました。
長さの単位を「度」、体積の単位を「量」、重さの単位を「衡」といい、あわせて「度量衡」といいます。
度量衡を定義、統一することは、経済活動において非常に重要になってくるので、シナでも歴代王朝は度量衡を統一、制定して、王朝の権威としていました。
尺貫法は、東アジアで広く使われていた単位系ですが、正確に言うと、日本以外では貫ではなく斤を使うので、尺斤法となります。
現在では、日本を含めてどの国も国際単位系に移行していますので、公式の単位として使っている国はありません。
しかし、伝統的な業界や日常生活では、まだ尺貫法の言い方が残っているものがありますので、知っていた方がいいでしょう。
尺貫法における長さの単位
尺貫法の長さの単位は「尺(しゃく)」が基準となっています。
元々、親指と中指を広げた長さが基準でしたが、人によって長さがまちまちになるので、政権によってある一定の長さに統一されるようになりました。
しかし、これも時代によってまちまちで、だんだん長くなる傾向にあったようで、明治時代には約33センチメートルに統一されました。
前腕には2本の骨がありますが、その一つが「尺骨(しゃっこつ)」で、長さがおよそ1尺だったことが由来のようです。
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また、「尺」という場合には普通「曲尺(かねじゃく、きょくじゃく)」のことをいいます。
これは、元々大工が使う「さしがね」のことで、そこに打たれてる目盛りの尺をいうようになったものです。
職人である大工が使っていたものなので、政権などに関係なく一定のものが伝えられていたそうです。
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これとは別に、「鯨尺(くじらじゃく)」というものもあります。
これは、着物の仕立てなどに使われるもので、曲尺よりも2寸ほど長いものです。
(1尺が約37,88センチメートル)
仕立てにつかう「ものさし」が、しなやかな鯨のひげで作られていたから「鯨尺」と呼ばれるようになったそうです。
現在は普通竹製のとなっていますね。
明治政府の公式な尺は、曲尺をもとにして決められました。
- 1里(り)=36町
- 1町(ちょう)=60間
- 1間(けん)=6尺=1尋(ひろ)
- 1歩(ぶ)=6尺(または8尺)
- 1丈(じょう)=10尺
- 1尺=10寸(すん)
深さは尋(ひろ)であらわします。
この「尋」は、「左」「右」「寸」をあわせた文字で、人が両手を広げた長さをいいました。
広げるから「尋(ひろ)」ですね。
水中にたらした糸で深さを測り、その長さを手を広げながら数えると、計測しやすいために、尋を使うようですね。
中国語では、「尋(じん)」と、その2倍の「常(じょう)」という単位があり、あわせて「尋常(じんじょう、並、普通のこと)」という言葉ができました。
これらとは別の単位で、「文(もん)」があります。
通貨の単位の文ですが、一文銭の直径が基準となっています。
一文=およそ24ミリメートルで、主に足や靴のサイズに使われていました。
故ジャイアント馬場の足のサイズが16文(約38,4センチメートル)というのは有名な話ですね。
でも本当は16文ではなく、アメリカの靴のサイズ「16(約34センチメートル)」を語呂がいいので「16文」としたようですが。
尺貫法における面積の単位
尺貫法の面積の単位は、「方寸(1寸四方の面積)」や「方尺」、「方丈」などが使われていましたが、土地に関するものだけは特別な単位がありました。
1坪(つぼ)は1間四方の面積で、1,8×1,8=約3,3平方メートルのことです。
同じ面積を「歩(ぶ)」といいますが、これは長さの単位「1歩」を一辺とする正方形の面積のことで、歩の別名として「坪」がつかわれるようになったようです。
また、坪は日本で作られた単位ですが、日本統治下の朝鮮、台湾でも使われていたため、現在の台湾、韓国でも坪は通用します。
- 1町=10反(たん、段とも書く)=約1ヘクタール
- 1反=10畝(せ)
- 1畝=30坪(歩とも)
- 1坪=10合(ごう)
- 1合=10勺(しゃく)
参照:広さの単位「坪」の話
ゆかた地 反物
布の大きさをあらわす「反」は、だいたい1着分の布地をいい、「反物(たんもの)」というのもここからきた呼び方です。
反物は、一着分の生地のことで、鯨尺で幅9寸5分、長さ2〜3丈以上のものをいい、巻物のように芯に巻かれていますね。
尺貫法における体積の単位
尺貫法の体積の単位は、「升(しょう)」が基準となっていますが、時代によって大きく違いがありましたが、江戸時代頃に現在の大きさになったようです。
元々は、両手ですくった量を1升としていましたが、これは大体200ミリリットルくらいでした。
時代とともに大きくなっていき、現在は約1,8リットルとなっています。
江戸時代以前は1升の量は地域や時代でかなり違っていて、現在の1升の半分にも満たないものもあるので、文献などにでてくるものは注意が必要ですね。
- 1石(こく)=10斗
- 1斗(と)=10升
- 1升=10合
- 1合=10勺
米や酒などは、日常では今でもこの単位を使うことが多いですね。
尺貫法における重さの単位
尺貫法の重さの単位の基準は「貫(かん)」です。
1貫は約3,75キログラムです。
これは、1文銭の穴に紐を通して1000枚一組にしたもので、通貨単位として1貫とされていたものが、その重さのこともいうようになったものです。
通貨単位との区別のため、重さのほうは「貫目(かんめ、1貫の目方)」といい、通貨のほうは「貫文(かんもん)」ともいいます。
おなじく1文の目方を「1匁(もんめ、文目のこと)」といいました。
また、「斤(きん)」は今では食パンでしか使われない単位ですね。
「1ポンド≒120匁=450グラム」を1英斤(えいきん)と呼ぶこともあったそうです。
食パンは、1英斤を単位としたことから、斤を単位で使うようになったようですが、だんだん少なくなってきて、今では食パン1斤=340グラムと定められています。
- 1貫=100両
- 1斤=16両
- 1両(りょう)=10匁
この「貫」という単位は日本で作られた単位で、尺貫法を使うシナや朝鮮などでも使われません。
(09/07/28)
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