「チョウ」「ガ」とは

「蝶(チョウ)」と「蛾(ガ)」は、どちらも昆虫綱鱗翅目(チョウ目、またはガ目ともいう)に分類される昆虫で、どちらも多くの種類があります。
ほとんどが「ガ」の仲間で、いわゆる「チョウ」に分類されるものは鱗翅目のごく一部です。
卵で産まれて、幼虫から蛹を経て成虫になる、完全変態をおこないます。
幼虫はいわゆる「芋虫」「毛虫」「青虫」の類です。
ここですでに嫌われているものが多いですね。
チョウとガの一般的な見分け方
チョウは美しい、ガは醜い
一般的には、
「チョウは美しい、ガは醜い」
と、かなりガは嫌われているんじゃないでしょうか。
生理的に無理な人も多いですね。
反対にチョウは研究している人も多く、小学生の昆虫採集の対象としても、カブトムシやクワガタ、トンボなどとともに人気の的です。
チョウとガの一般的な区別
一般的には、次のように区別されているようです。
- チョウは昼間に活動し、ガは夜に活動する
- チョウは羽を立てて止まり、ガは羽を広げて止まる
- チョウの幼虫はアオムシ、蛾の幼虫はイモムシ、ケムシ
しかし、昼間に飛んでいるガはたくさんいますし、暗くなってから活動するチョウもいます。
羽を立てて止まるガもいますし、羽を広げて止まるチョウもいます。
また、幼虫がケムシのチョウもいますし、アオムシからガに成長するものも多いです。
つまり、この区別では分類しきれず、例外だらけということになりますね。
チョウとガの分類上の違い

日本に生息している鱗翅目は、21(24とも)の上科にわけられ、そのうちの「アゲハチョウ上科」と「セセリチョウ上科」、「シャクガモドキ上科」の3つがいわゆるチョウなんです。
残りは全部「ガ」ですね。
で、この「アゲハチョウ上科」と「セセリチョウ上科」、「シャクガモドキ上科」の3つは、そのほかの上科と比べてどう違うかというと、はっきりとした区別できる基準がありません。
日本では、鱗翅目の昆虫が3,500種類いるといわれていますが、「チョウ」と呼ばれるものは250種類程度で、他はすべて「ガ」なんです。
世界全体では、ガの種類数はチョウの20〜30倍ともいわれているそうです。
要するに、チョウはガの仲間で、見た目が美しいものを特に区別してそう呼んでいるにすぎず、明確な区別があるわけではありません。
しかし、日本にいるものに限っていえば、触角で区別できます。
ガの触角は、櫛や鳥の羽のようにフサフサっとしてますね。
対してチョウの触角はスッと棒状になっています。
日本産のものはこの見分け方でほぼ大丈夫らしいです。
チョウとガの言葉の違い
漢字文化圏における「蝶」と「蛾」
もともと、漢語における「蝶」は、木の葉のようにひらひらと舞う虫をさした言葉でした。
また、「蛾」は、カイコの成虫などをイメージした言葉です。
蚕は、絹を得るために古くから飼育されていましたし、養蚕は重要な産業なので、その「蛾」も神聖視されていたようです。
例えば、美しい眉のことを「蛾眉(がび、カイコガの触角のような眉)」といい、決して悪いイメージではなかったようです。
シナのそういった文化の影響が強い日本でも、元々はガを毛嫌いすることは少なかったようです。
欧米の「チョウ」と「ガ」
日本語では、「チョウ」「ガ」とはっきり区別した言葉がありますが、ドイツ語圏やフランス語圏などでは、そういった言葉で区別しない文化もあります。
例えばドイツ語では、「Schmetterling」と「Motte」という語で表現しますが、前者は比較的大型の鱗翅目、後者は比較的小型の鱗翅目という区別のようです。
しかし、日本語に訳すときには前者を「チョウ」、後者を「ガ」と訳すようで、混乱の元となっているようです。
英語では少し違っていて、「butterfly」が「チョウ」、「moth」が「ガ」ですね。
この「moth」はドイツ語の「Motte」と同源で、毛織物を食害する小さなガをさす言葉でした。
毛織物が重要な産業だったイギリスでは、「moth」に対していいイメージはないようですね。
面白いことに、産業の違いによって、東洋では神聖なイメージなのに、西洋では害虫として嫌われているんですね。
日本で「ガ」が嫌われているのは、イギリスやその影響のあるアメリカなどからの文化が入ってきたためと思われます。
チョウやガにまつわる雑学
- 漢方の生薬や薬膳料理に使われる冬虫夏草は、バッカクキン科冬虫夏草属の菌類である「シネンシストウチュウカソウ」が、コウモリガの幼虫に寄生したものである。
- ヤガ科の一部には、「吸収ヤガ」と呼ばれる、果実に口を刺して汁を吸う種類があり、果樹園などでは害虫とされ、嫌われている。
- カイコガは食用にもされていて、蛹を揚げたり、煮付けにして食べられている。
韓国では「ポンテギ」といい缶詰にもなっているし、シナのほか、日本でも長野県、群馬県などの養蚕地域で、「どきょ」などと呼んで食べられていた。
佃煮は今でも販売されているらしい。
コクがありまろやかな味ということですが、食べてみる勇気はないですね。
【韓国食品】カイコ缶詰(140g)
(09/06/02)
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(09/06/02)掲載






